藤井日達上人
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国家権力を諌暁

国家権力を諌暁 (米国シアトル仏舎利塔建立工事禁止命令について)
宝塔建立工事禁止命令に従って工事を中止する事は、必ずしも敗北ではない。
軍港建設と平和建設との対決である。
政府と民衆との衝突である。
殺人と救済との競争である。
政府が軍拡競争を政策とする事は限界がある。
民衆が平和を希望する事は際限が無い。
たとえ暴力、権力が一時勝利を収めても、それは春の夜の夢に過ぎない。
非暴力運動、平和建設の精神的原則たる宗教の生命は寿命無量である。いかなる困難をも「忍」の一字を以て受け止めて、やがて花咲く春を待つ。
最後の勝利は彼岸にある。工事禁止命令の敗北はその時にわかる。
其の時の審判は、善か悪かの分別である。
暴力、権力の発動が善であった例は無い。それを想う時に、我等には、いかなる情況の下に在っても、敗北を感ぜない。
勝利の時間的展開を待つばかりである。
いつも勝利である国家権力を恐れて、諌暁せざる者が、所謂敗北者である。宝塔建立も、平和者の大集会も、国家権力の非道を諌暁する所以である。
       (昭和五十七年頃)

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